優勝こそ逃したが、照準は日本一連覇。まずは日本ハムとのファーストステージを突破し、ファイナルステージで西武を撃破する必要がある。日刊スポーツ評論家の浜名千広氏(48)が、今日から2回に分けて突破のポイントを挙げる。第1回は打撃編。1番と4番打者が鍵を握るとみる。

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よく「日本シリーズ男」という言葉が使われる。短期決戦に強い、勝負強い選手の代名詞なのだが、CSには当てはまらない。ましてや2敗したら敗退のファーストステージは、負ければ終わりのトーナメントと同じだ。だから、CS突破、とくにファーストステージ突破の条件は「打つべき人」が打つことが必要となる。

今年のホークスは4番柳田の活躍なしでは語れない。打率3割5分、本塁打30、100打点をクリアした。内川不在、デスパイネ不在の時期もあった中、4番としてチームを支えた。選手会長として初めて迎えるシーズンでもある。本人にも期するものがあったはずだ。8月26日、ヤフオクドームでの西武戦、延長12回にグラシアルの満塁弾でサヨナラ勝ちを収めた。そのときの柳田の執念を忘れない。2回までに6得点も、投手陣が崩れて逆転された。8回裏に自ら同点2ランを放った。サヨナラの瞬間、誰より喜んだ。あの責任感はハンパない。その気持ちは短期決戦で再び火がつくだろうし、そうならないとホークスは勝てない。

そしてファイナルステージ突破の条件は「勢い」。ファーストステージを突破した「勢い」は優勝した西武からすれば一番怖い。その「勢い」を効果的に生かすのは「1番打者」。固定出来なかった今年、ファーストステージで一番調子が良かった選手を思いきって使うべきだ。もし上林が日本ハム戦で結果が出なければ、外してでも「勢い」のついた選手に1番を託す方がベストだと思う。「1番打者&4番打者」。攻撃面でCS突破の鍵を握るのはこの2人になる。(日刊スポーツ評論家)