侍ジャパンがメキシコを京セラドーム大阪に迎えた「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019」第2戦で、7人の投手が0封リレーを完成させた。2020年東京五輪に向けて、野手では吉田正尚外野手(25=オリックス)がアピールを決めた中、投手陣で評価を上げたのはだれなのか? 佐々木主浩氏(51=日刊スポーツ評論家)が分析した。

   ◇   ◇   ◇

投手陣がきっちり0点で抑えたのが大きい。特に最後の2人、ソフトバンク森とDeNA山崎はしっかり自分の仕事をした。昨日の試合で4点を取られ、今日は投手全員が低め、低めへと集めるように意識していた。だから長打をメネセスの二塁打だけに封じることができた。

海外のチームと対戦する時は、打者のパワーに気を付けなければならない。高めに甘く入れば簡単に持っていかれるし、競った試合での本塁打は命取り。そういう意味でもメキシコに点を与えなかったのは評価できる。

中でも目についたのが楽天森原。プロでの実績は通算59試合で3勝6敗、14ホールドとそれほどでもないが、外国人相手にはあのフォークは非常に有効だし、威力がある。今日もいいところから、しっかりコントロールして落とすことができていた。加えて真っすぐも速い。この2試合は今後のプレミア12や東京五輪へ向けた新戦力発掘の意味合いもある。オリックス山本とともに森原は面白い存在だ。

打線は初回に5点を取った後、やや寂しかった。大量点の後に細かいプレーはやりにくいだろうが、次は稲葉監督がどう1点を取りにいくか見てみたい。それにしてもメネセスは良い打者。軸もぶれないし、広角に打てるところはDeNAソトに似ている。オリックスは「良い選手を取ったな」と思っているだろう。(日刊スポーツ評論家)