広島対阪神 2回裏広島2死一、三塁、中谷将大の悪送球で先制を許しマウンドでガックリする岩貞祐太(左)(撮影・栗木一考)
広島対阪神 2回裏広島2死一、三塁、中谷将大の悪送球で先制を許しマウンドでガックリする岩貞祐太(左)(撮影・栗木一考)

阪神は前夜の逆転勝利を生かせず、広島に大量10失点で完敗した。マツダスタジアムで見届けた元投手コーチの中西清起氏(56=日刊スポーツ評論家)も、厳しい表情で現状分析した。

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阪神が広島を目覚めさせてしまった。4番鈴木は当然のことながら、当たりの乏しかった松山、会沢らに本塁打、野間にマルチ安打を許すなど、ここまで欠けていた“つながり”を招いた。

逆に、阪神はこれだけ打てないと、ピッチャーにプレッシャーがかかる。岩貞が2回に先取点を許したのも四球を出した後、一塁でスタメン起用した中谷が連続エラーしたものだ。

北條を遊撃で起用するなら、足を使える近本の1番抜てきは自然だ。そして5回、代打上本の2点適時打で2点差に詰め寄った。そしてなおも無死一塁。近本は犠打を決めたが、強攻策でも良かったのではないか。ベンチは近本に送らせ、北條と糸井で少なくとも1点差にしながら、残り4イニングで自軍の反発力にかけるといった思惑だったに違いない。だが、それはかなわなかった。

ここまで打てないと、現状では「守り抜く」しかない。無駄な四球、失策はもちろん、追い上げる展開で2番手としてつぎ込むリリーフ起用もカギを握るだろう。あとは4番大山がどれだけ期待に応えてくれるかだ。(日刊スポーツ評論家)

広島対阪神 6回表阪神無死、大山悠輔は右前打を放つ(撮影・上山淳一)
広島対阪神 6回表阪神無死、大山悠輔は右前打を放つ(撮影・上山淳一)