阪神対DeNA 9回裏阪神2死、二飛に倒れてベンチに引き揚げる福留(撮影・上田博志)
阪神対DeNA 9回裏阪神2死、二飛に倒れてベンチに引き揚げる福留(撮影・上田博志)

阪神はDeNA浜口の前に1安打完封負けを喫した。9日に大逆転勝ちした勢いをつなげられず、2連勝でストップ。日刊スポーツ評論家の中西清起氏は、1点を追う7回に能見を投入した場面に焦点を当て、厚みのあるブルペン陣を生かして粘り強く戦うことを提言した。

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花冷えの甲子園は見せ場もなかった。青柳の熱投とは裏腹に、打線はお寒い状態だった。

中西 9日の快勝で勢いをつけたかったが、1点も奪えなかったのは打線に力がない証拠だった。DeNA浜口は終盤に抑えがきかなくなっていたし、7四球をもらいながらつけ込めなかったのは、相手が好調だったからでなく、阪神の打ち損じにみえた。

阪神ベンチは、1点リードされた7回に、青柳から能見にスイッチする。だが、その左腕がロペスに左越え本塁打を許して2点差に開いた。

中西 青柳はナイスピッチングだった。能見はもう少し低めに投じたかったがゾーンが上がってしまった。ただ、阪神の強みは、1点ビハインドでも勝ちパターンのリリーフをつぎ込んでいけるところにある。能見が7回を抑えれば、8回は0-1のままジョンソン投入。その間に、同点、あるいは引っくり返すという青写真だったはずだ。

9日のDeNA戦も2点ビハインドの8回に立てた桑原が1イニングを封じると、その裏逆転に成功していた。

中西 他球団が抱えている計算のできる勝ちパターンのリリーフは2、3人だが、阪神は桑原、能見、ジョンソン、ドリスと4人がそろっている。仮に、1、2点リードを許しても、勝ちパターンのピッチャーをマウンドに送り込むことができるのは大きい。

つまり、競ったゲーム運びでいけば、中盤以降の勝機をモノにできる可能性が高いというわけだ。

中西 現状で打ち勝つのは難しい。今後は先発から2番手への「つなぎ」がポイントになってくる。【構成=寺尾博和編集委員】

阪神対DeNA 7回表DeNA2死、能見(中央)に声を掛ける阪神ナイン(撮影・上田博志)
阪神対DeNA 7回表DeNA2死、能見(中央)に声を掛ける阪神ナイン(撮影・上田博志)