虎が4連敗を喫し、借金4を背負った。大敗となったゲームのポイントは、また序盤の戦いを見ての指摘は-。85年阪神日本一監督で、日刊スポーツ客員評論家の吉田義男氏(85)がディフェンス力の重要性を説き、立て直しに期待を寄せた。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

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厳しい現実を突きつけられた。この中日3連戦で開幕から一巡の阪神は、5カードのうち3カードに負け越しが決まった。

吉田 ここまで記録に表れないミスが目立ちました。例えば、併殺をとれず走者を残したり、詰まったゴロをファンブルしてアウトをとれずピンチに陥ったりで、それが失点につながるわけで、守備力にもろさを感じましたな。

4回無死一、二塁。中日柳が試みたバントは、岩貞と大山の間をすり抜けて転がった。本来は1死二、三塁になるケースだが、これが安打になって、直後に京田に満塁本塁打を浴びた。

吉田 大山が反応してアウトにすべきでした。状況判断ができなかったといえばそれまでだが、大山に限らず内野手は、さまざまなケースを想定しながら守らなくてはいけない。今の内野手にはいろんなことを判断する厚みがない。結局は課題のセンターラインの確立ができていないのはつらい。

特に開幕から二遊間でスタメン出場したのは、鳥谷、上本、北條、木浪。その4人で5パターンのコンビが組まれた。

吉田 これでセンターは近本を起用するとして、捕手が梅野、あとは二遊間になる。一言いわせてもらうと、結局は鳥谷ですわ。正直、厳しいと思っていたし、もっと若手が伸びてくると思っていた。それがまた3回福田の二遊間へのゴロ、6回の併殺プレーにベンチに戻ってくる全力疾走をみていると、しばらくは鳥谷に任さざるを得ない。

開幕から約半月で借金4を抱え込んだ。

吉田 なにかきっかけがほしい。救世主がでてくるとか。外国人? ……。要は打線の奮起だが、今はひたすらディフェンスを固めながら戦い抜くしかないですわ。