阪神が約3週間ぶりの連敗を喫した。20歳の阪神才木と19歳中日清水の両先発投手の対決に、日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏が感じたことは…。

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阪神才木と中日清水の若いピッチャーの投げ合いは対極にあった。立ち上がりから制球に苦しんだ両投手だったが、才木の場合は持ち前の大胆さが影を潜めたのは残念だった。

先発2試合続けて先手を許した才木は、うまくまとめないといけないという心理が、本来の投球の足かせになったのではないだろうか。慎重になり、腕の振りも鈍っていた。

逆に、清水のほうは怖いもの知らずの強みが功を奏した形だった。こちらもコントロールが定まらなかったが、思い切りの良さというべきか、失敗を恐れない姿勢が結果につながった。

阪神打線は清水の球速にばらつきのあるストレート、フォークに加え、途中からカーブを交えた組み立てに戸惑った。投打のかみ合わない1敗だったということがいえる。

久々に連敗を喫したチームだが、勢いが失速したとは思わない。できるだけミスを少なくしながら締まったゲームをしていけば勝ちは拾える。勝率5割ラインをキープしながら戦いたい。(日刊スポーツ評論家)

阪神対中日 中日に連敗しファンに頭を下げてあいさつする矢野監督(左)(撮影・上田博志)
阪神対中日 中日に連敗しファンに頭を下げてあいさつする矢野監督(左)(撮影・上田博志)