阪神にとっては、悔やまれる引き分けになった。延長突入後はよくしのいだといえるが、9回裏も2死までこぎつけ、勝利目前での逃げ切り失敗は痛かった。

阪神ベンチは1点リードの9回裏もメッセンジャーに託した。ストッパーのドリス投入の選択肢もあった。わたしにも経験があるが、自分がその場にいても迷うところだ。

しかし、メッセンジャー続投を決め込んだ以上は途中交代も考えられず、任せるしかなかった。9回裏2死二塁。だが今宮にまんまと同点に追いつかれる左前打を浴びてしまう。

それまでのメッセンジャーは低めにボールを集めた好投だった。4番デスパイネからフォークで連続三振を奪うなど、速さは感じなかったが、巧みに変化球を操りながら、8回まで1失点に抑えていた。

今宮に同点打を許したのは2ボールからのストレートだった。あれだけ強打のソフトバンク打線を膝元への変化球で打ち取っていただけに、詰めの場面でのストレートの選択には若干の疑問が残った。

最後はよく粘ったといえるが、気掛かりなのは1番近本に当たりが出ていないことだ。競った展開に持ち込んで勝機を見いだすためのキーになるだけに、ここは乗り越えてほしい。