青柳は変則投手の特性を生かすことのできた好投だった。5回までに18人の打者に対したが、ゴロになったのは安打も含めて12打席を数えた。いかに青柳の球が低めに集まっていたかを物語る。

本来、ベルト付近にくるボールは打者の餌食になりやすいが、それより低めにくると微妙に沈む。それは下手投げの特長ともいえるが、青柳の投球スタイルがハマった形だった。

また、4回の4番デスパイネを空振り三振にとった場面などは逆球が続いたが、内角を突くことで投球の幅が広がったといえるだろう。ソフトバンクが慣れていないことを差し引いても、評価のできる内容だった。

ただ、イニングが中盤に差し掛かると、グラシアル、デスパイネらを打ちとったものの大きな飛球が目立った。100球をメドにした打者3巡目あたりになると、相手に慣れてこられるということだろう。

今後、青柳が1年間先発ローテーションを守るには、「100球」「3巡目」といったカベをクリアしていくことが条件の1つになる。この試合までの平均投球回数は約6回1/3イニング。これを徐々に伸ばしていってほしい。

例えば、打者との駆け引き、初球の入り方、間、タイミング、いわゆる配球を変えるなど工夫が必要になってくる。その先に2桁勝利も見えてくるはすだ。(日刊スポーツ評論家)

6回裏ソフトバンク無死、福田秀平に右越え本塁打を浴びる青柳(撮影・梅根麻紀)
6回裏ソフトバンク無死、福田秀平に右越え本塁打を浴びる青柳(撮影・梅根麻紀)