阪神が8回に勝ちゲームをひっくり返された。今季5度目の逆転負けは、セ・パ両リーグ最少だから、余計にショックは大きい。

山田 8回は西が踏ん張らないといけなかった。あの回は簡単にピンチを作りすぎたし、打力に乏しい今のオリックスに3連打されているようではいただけない。7回は阪神ベンチの強気といえる采配でリードを奪って、西にとっても完投ペースだっただけに、悔やまれる1敗だ。

その8回裏は小田、代打後藤の連打で無死一、三塁。続く1番福田の左前打で1点を返される。西は代打鈴木昂に犠打を決められたところで藤川に交代した。

山田 オリックスは後藤がよくつないだ。逆に、阪神としては、その一打によって、西を代えるに代えられなくなったといえるだろう。西は簡単にピンチを作りすぎと評したのは、ベンチが動く前に手痛い1本のヒットを打たれたということだ。

8回1死二、三塁。藤川が吉田正に四球を与えて満塁とした後、ロメロを空振り三振で2死までこぎつけた。だが続く西野の打席で暴投で同点、その直後に2点三塁打を浴びてしまった。

山田 西は7回終了時点で96球。このゲームを投げきってもおかしくなかった。しかし、仮にジョンソンがブルペンにいれば、8回から投入する手もあっただろう。何を言いたいかというと、ジョンソンのいない阪神ベンチは、先発を引っ張る傾向になっている。例えば11日ソフトバンク戦の9回裏2死から、メッセンジャーが今宮に同点打を打たれた試合もそうだ。今は後ろから計算した継投が考えにくく、ピンチになって出ていくケースが目立っている。つまりジョンソン不在のしわ寄せが結果に表れたということだ。【取材・構成=寺尾博和編集委員】