日本ハムには「1勝以上の価値」がある白星だった。延長12回を戦った前日13日は、7人の救援投手を使っていた。この日の先発・有原は、最低でも7~8回を投げなければいけないマウンド。その中で、しっかりとチームを勝ちに導くエースの役割を果たした。内容うんぬんよりも、その結果をたたえたい。

粘りの投球に、野手も応えた。初回、5回に巨人坂本のフェンス際への大飛球を好捕した西川、大田。9回、中前に抜けそうな阿部の打球に飛びついた渡辺。球際の強さが目立つ好プレーだった。

攻撃では逆転した7回の西川を評価する。もともとセーフティーバントは警戒される打者だが、2ボールというカウントになり、若干マークがゆるんだところで、相手の隙を突いて成功させた。2死後、中田の5球目には二塁へ盗塁。アウトカウントが進み、バッテリーの意識が打者へ向いたところでスタートを切った。直後の左前同点適時打へとつながり、チームに勢いをもたらした。

相手の隙をつくのは、好調な日本ハムの野球。その強さが凝縮されたナイスゲームだった。交流戦に入り、チームは大きな波をつかんでいる。このいい流れは、しばらく続いていきそうだ。(日刊スポーツ評論家、侍ジャパン投手コーチ)