締まらない交流戦になった。6連敗の後、西武に三タテを食らわして気勢をあげるはずが、またしても失策が続出するなど、後味の悪い、課題を残した1敗になった。

吉田 トータルでいうとここまでよくやったという評価ですわ。矢野監督は選手の気持ちを掌握しながら戦ってきた。ただこの一戦に関しては、久しぶりといっていいだろうが、勝負勘が鈍ったと言わざるを得なかった。わたしは糸井をベンチに下げるべきではないと思いました。

1-7の7回裏。阪神ベンチは2死二塁から右前打を放った3番糸井に代走陽川の起用に出た。一、三塁の場面で続く大山が左前適時打を放って1点を返したが後続を断たれた。

吉田 糸井は現状のチームでもっとも当たっているポイントゲッターですよ。この日も2本のヒットを打っていた。最後の、最後の、最後まで、なにが起こるかわからないじゃないですか。再びセ・リーグと戦う中日戦まで5日間空くわけです。糸井の足の状態は良くないのかもしれないが、ここは踏ん張らせてほしかったね。

8回裏は不安定な西武3番手の平井から下位打線で1点を奪った。西武ベンチは1死満塁になって、たまらずヒースにスイッチ。ここで糸井に代わった陽川が初球を右飛、大山は空振り三振を喫した。

吉田 このように結果で言うてるのでなく、8回はもう一度糸井に回ってくるわけですわ。もう一言いわせてもらうと、ガルシアの交代機が遅れた。全部をつぎ込んでいくつもりだっただろうが、そこも後手に回りましたな。ここは仕方がないけど、1、2番の差もでた。きついけど、ここからの勝負はもっと厳しいでっせ。

交流戦でのチーム19失策、シーズン66失策は、いずれもセ・パ両リーグでワーストだ。

吉田 それでもこの順位にいるのは、いかにピッチャーが踏ん張ってきたかだ。オールスターまでの11戦はひとつのヤマ場。ここで貯金をいくつするかが、優勝争いできるか否かの勝負になる。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

7回裏阪神2死二塁、糸井は右前打を放つ(撮影・上山淳一)
7回裏阪神2死二塁、糸井は右前打を放つ(撮影・上山淳一)