阪神がDeNA戦に敗れ、リーグ戦再開から2カード連続の負け越しを喫した。首位巨人とは7・5ゲーム差に。ついに過去、球団最大逆転Vを達成した“デッドライン”を越えてしまった。

野球評論家の権藤博氏(80)は先発メッセンジャーの復調を認めつつ、5回にソトに浴びた1発が勝負の分かれ目とした。そして借金2を抱えた虎にとって、球宴まで残り6試合の重要性を解説した。【取材・構成=田口真一郎】

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接戦ムードが一変し、中盤以降はDeNAに流れが一気に傾いた。リーグ戦再開から2カード連続の負け越し。得意とした相手にも、力の差を見せつけられた。勝負の分かれ目は1点ビハインドの5回2死。3番ソトの打席だ。先発メッセンジャーはカウント1-2から甘く入ったフォークを左翼席に運ばれた。

権藤氏 この1点はあまりにも痛かった。2死で、しかも2球で追い込んだ。ただ、絶対にホームランだけは打たれてはいけない場面。フォークを選ぶのはいいが、ボール球にしなければならない。勝負しながら、最終的には四球でもいい。ソトは最もタイミングの合っている打者だった。細心の注意がほしかった。

6回以降、阪神打線はチャンスを作れなかった。一方のDeNAは本塁打攻勢で突き放す。

権藤氏 ソトの本塁打でまだ2点差だが、今の打力を考えると、4、5点差ぐらいの重みになる。その後の展開を見ても、勝負の流れはそういうものだ。Aクラスを争う中で、こういう試合を落としてはいけない。

メッセンジャーは6月18日以来の先発。3回までに3点を失ったが、悲観的な投球ではなかった。

権藤氏 ベテランになれば、自分の体調に敏感になる。「調子が悪いんじゃないか」と心配が先に立つ。序盤の失点は相手の打者がうまく打った。それでもやられたイメージが残り、慎重になり過ぎて、自分のリズムを崩してしまう。だが、春先の状態に比べると、球の走りは良かった。これからも十分、勝っていけるだろう。

借金は「2」に増え、首位巨人と7・5ゲーム差。阪神にとって、過去の逆転優勝のデッドラインを越えてしまった。球宴まで残り6試合。相手は広島、巨人だ。

権藤氏 今は巨人よりも、どうやって勝率5割でいくかを考えるべきだ。球宴までに3位の位置を確保したい。借金を抱え、Bクラスでオールスターに入れば、心理的にものすごく上位と離れた気分になってしまう。5日からの甲子園6試合はかなり重要になる。ここで振り切られてはいけない。リリーフがそろっているところを見ても、やはり投手を前面に押し出して戦っていくチーム。エラーもあるが、しっかり守って、投手をもり立てていくしかない。

DeNA対阪神 DeNAに敗れベンチを引き揚げる矢野監督(撮影・上田博志)
DeNA対阪神 DeNAに敗れベンチを引き揚げる矢野監督(撮影・上田博志)