試合中止を告げられてスタンドで雨にぬれている子供たちがかわいそうでしたね。今シーズンの阪神は日程にまだ余裕があるはずで、天候が回復すると読んだのでしょうが、もう少し早めに判断してあげるべきだったのではないでしょうか。

先発がスライドすることになった阪神高橋遥は、現時点でもっとも頼れるピッチャーといえます。セ・リーグは巨人の1強、他のチームについては2位もあれば最下位もあるといった状況です。阪神にない打力をもつヤクルトもあなどれない。

夏場になるとどのチームも打力が上がってくる。しかし、阪神についていうと、ここからバッティングの内容が急激に上昇するとは思えないのです。強打のチームに対抗するのは難しいでしょう。だからこそ徹底して守りを固めることです。

今シーズンはリーグ最多72失策が示すように守りのミスが多すぎる。記録に表れないミスによって相手に進塁を許したケースも目につきます。これが続くと何が生じるかというと、投手陣との信頼関係にヒビが入りかねない。

ただでさえ打てないチームなのだから、余計な点を与えないためにも、できるだけミスをしないことです。逆に堅い守備力でピッチャーをもり立てていくぐらいの戦いで、競ったゲームをモノにしていきたいですね。

(日刊スポーツ評論家)