巨人に3連敗を喫した阪神は、相手が得意のDeNAになると息を吹き返したかのように連勝した。

梨田 阪神はちょっと巨人に負けすぎだね(6勝13敗)。ただ上位の広島、DeNAには勝ち越しているわけで、巨人には追いつかないが、CS(クライマックス・シリーズ)圏内に入る可能性はある。厳しいがそこを狙っていくしかない。ソラーテが1軍から外れてすっきりしたね。

高山が3回に上茶谷から先制の本塁打。4、6回に4番マルテが打点を挙げた攻撃は、2番ショートに入った木浪が起点になった。

梨田 阪神の優勝争いには新たな野手の助っ人が必要だった。わたしにも経験があるが、もっと早めに備えるべきと思ったほどだ。ただソラーテは打てない、守れない、足も速くない。でも現場は使わないと仕方がない苦しい状況だった。チームの戦う形は崩れた。ここは球団の見極めが甘かった。ソラーテが出た時は、ポジションがダブる高山、木浪らが出場する機会を失った。その若手たちが働いたし、(加入と降格は)マルテの刺激にもなった。前日本塁打を放った糸原も、出番が制限されて悔しかったに違いない。それがすっきりしたという意味だ。

阪神はこのDeNA戦で8月に入って初めて“カード頭”を取った。実に6カードぶりのことで、上位チームに勝ち越した。

梨田 カードの頭をとっていけば、3つ(3連勝)いけるんじゃないかと楽しみが出てくる。気になるのは近本に当たりがないことだが、同じ左打者の木浪、糸原らが左方向に打ち返したように、少し逆方向を意識した方がいい結果につながることもある。また、勝ちパターンも、ドリスの7回投入も妥当といえるだろう。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

阪神対DeNA 6回裏阪神2死、左翼線へ二塁打を放つ糸原(撮影・上田博志)
阪神対DeNA 6回裏阪神2死、左翼線へ二塁打を放つ糸原(撮影・上田博志)