阪神は投打がかみ合った見事な快勝だった。ひとつ今後に生かして欲しい課題として挙げたいのは、5回の青柳の投球だ。なぜ、先頭の6番嶺井に死球なのか。なぜ、梅野は内角の際どいコースを要求したのか。6点リードで下位打線ですよ。強力打線相手に一番やってはいけないのが走者をためること。実際そこから2点を取られ、相手の反撃ムードを高めてしまった。

青柳は少々甘くいっても、凡打の山を築いていた。それは下手から146キロもの真っすぐを投げていたから。下手では珍しく、球威でグイグイ押すタイプなんです。下手で146キロも出ていれば、打者は手元で浮き上がるように感じて数字以上の速さを感じていたはず。プラス、変化球を交えた緩急がある。だから前日4本塁打した強力打線を抑えることができたんです。

ただ、細かいコントロールはない。この日も実際、逆球も多かったし、それは梅野が何年も受けてきて一番分かっているはず。青柳を受ける時はコースではなく、真ん中に構えればいいんです。それがどこに行くか分からず適度に荒れるから、打者は的が絞りづらい。コーナーギリギリで勝負する投手ではないことを、改めて肝に銘じて欲しい。

いよいよ3位広島と直接対決を迎える。広島は投手陣がフラフラなので、阪神は大チャンスだ。この日の1イニング6得点は、積極的に振った結果生まれた。その積極スイングを忘れず、相手に向かっていくことだ。モチベーションが下がり気味の広島に対し、3位が見えてきた阪神はモチベーションでも上回れる。投手陣は広島打線を抑えられるはず。打線が奮起して、一戦必勝を期して欲しい。