気になったのが日本ハム中島の打撃だ。3回、先頭打者でほぼ真ん中の直球を二ゴロに倒れたが、最近はこのような凡打が多いような気がする。

引っ張ろう、強くバットを振ろうという意識が出てきているが、強くショートの頭上に打ち返すことができる今までの長所が消えてしまっている。強い打球を打つことは決して引っ張りだけではない。体が開かないツイスト打法に取り組んでいるのは分かるが、打撃のタイミングの取り方を一定にすることがポイントになるのではないか。

今の中島は早めに右足を上げてタイミングを取りにいっているが、その後にバットを引くテイクバックの動きがあり、2段階でタイミングを取る「2度引き」になってしまっている。この状態だと差し込まれやすく、私も経験したが早めにボールを捉えようとして引っかける悪循環に陥る。無駄な動きがなくスムーズにバットを出せれば、良さが出てくると思う。

守備、走塁はもちろん勝負勘も一級品だが、レギュラーを争う若手が出てきて、数字が求められる状況にある。自分の打撃を早く確立して、若手を背中で引っ張っていってもらいたい。（日刊スポーツ評論家）