8回裏DeNA2死満塁、沢村はソトを三振に仕留めて雄たけびを上げる(撮影・山崎安昭)
8回裏DeNA2死満塁、沢村はソトを三振に仕留めて雄たけびを上げる(撮影・山崎安昭)

巨人中川は大いに反省してほしい。今年は60試合以上に投げ、もう経験不足といういいわけはできない。7回2死二塁で登板し、左打者に2四球。相手がいることだから打たれるのは仕方ない。だが四球、それも連続で出して降板などありえない。緊迫した場面では技術でなくハートの勝負。自分の精神状態がどうだったか、しっかりと反省し次に生かしてほしい。

中川の後を受け、ソトと対戦した沢村はさすがだった。抑えをやっていた経験があるし、開き直って投げていた。インハイへの初球真っすぐは完璧な球。あれで勝負が決まったようなものだ。フォークもいいところに落としていたし、ソトを三振に仕留め、DeNAの19日広島戦からの盛り上がりを見事に静めた。

いぶし銀・重信のホームランも効いていた。DeNAは2番手石田が好投。5回に丸、岡本、大城を3者三振に打ち取り、DeNAベンチに「いける」という雰囲気ができかけていた。だが6回先頭の重信が左投手に強い本領を発揮して本塁打。傾きかけた流れを再び巨人側へ引き寄せた。

敗れたDeNAはいち早く2位を確保し、リリーフ陣に休養を与えた方がいい。エスコバーは球が全部抜けていた。しっかり休ませ、万全の状態でCSを迎えたい。(日刊スポーツ評論家)

6回表巨人無死、右越え本塁打を放ち手をたたく重信(撮影・河野匠)
6回表巨人無死、右越え本塁打を放ち手をたたく重信(撮影・河野匠)