西武に強力なダメージを与えた初戦だった。昨年と違って中継ぎを整備してきた西武に対し、その中継ぎを打ち崩しての逆転勝ちは2戦目以降に大きな影響を与える。リードを許していた7回までは悪い流れだったが、相手が「勝ちパターン継投」に入った直後の逆転は、かなり大きい。逆にソフトバンクの中継ぎは7回以降、西武に得点を許さなかった。
両チームの打線の違いも、結果になって出た。西武はタイトルホルダーがズラリと並ぶ怖い打線で、がっちり固定されている。しかし、流れを変える思い切った起用をしたくなっても、なかなか変えられないジレンマもある。その点、ソフトバンクは固定できない“弱点”を逆に生かし、調子のいい者にどんどん代えられる。昨年の日本シリーズ。広島がシーズンで固定されていた打線を変えられず、ソフトバンクに敗れた姿を思い出した。固定打線はシーズンでは強いが、短期決戦では流動的な打線が有利な面もある。
2戦目からはソフトバンクの先発陣がカギを握る。序盤での大量失点もなく、5回まで試合を作れば、打線が終盤に逆転できる自信がついた。(日刊スポーツ評論家)