日本ハムの新外国人ドリュー・バーヘイゲン投手(29=タイガース)が、来日初登板で能力の高さを示した。18日、韓国・サムスンとの練習試合(名護)で実戦デビュー。最速147キロの直球とカーブ、スライダーを武器に、2回を1安打3奪三振無失点。打者7人の初球がすべてストライクと制球のよさも見せ、日刊スポーツ評論家で侍ジャパン投手コーチの建山義紀氏(44)は、ローテーション入りはもちろん、「2桁勝っても不思議はない」と断言した。

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ひとつひとつのボールに、打者がどう反応するのかを見ていた。結果から言えば、すべてのボールで、日本の打者が対応しにくいであろう変化量、強さを感じた。開幕が近くなればもう少し球速も出てくるだろうし、気温が低い中でのこのパフォーマンスは100点に近い。それぞれのボールのクオリティーが高いと思った。問題なく、ローテーションでやっていけることを示し、2桁勝っても不思議ではないと思える。

外国人投手特有の、長身でステップ幅が狭い投球フォーム。右打者にはツーシーム系で攻め、最後にスライダー、カーブが有効的。この日は1球しかなかったが、左打者に対しては、そこにチェンジアップも加わる。角度があるから、ボールの上をたたいてゴロになるケースも目立っていた。

カーブはスピン量が多くて、ブレーキが効いている。スライダーは縦変化。フォークボールのような役割を果たし、角度があるから打者としてはバットが出てしまう。バッティングカウントでも、打者の懐に踏み込んでいける強みも持っていた。

メジャーでの成績を見て(通算199回で89個の与四死球)、制球を不安視していた。だが、この日はすべての打者の初球がストライク。コントロールの悪さも伺えなかった。外国人投手は一般的にモーションが大きく、日本の野球はそこを突いて走ってくる。二塁打1本だったため、走者を一塁に背負ってのクイックモーションは見られなかった。次回以降に注目してみたい。(日刊スポーツ評論家、侍ジャパン投手コーチ)