中日対楽天　3回裏中日1死一、三塁、福田の中犠飛で生還しナインとタッチを交わす根尾（撮影・森本幸一）

根尾からは積極的なバッティングと、消極的な準備不足の双方を感じた。

第1打席は則本昂に対し初球ファウル、2球目を詰まりながら右前へ運んだ。詰まってもいい。こういう安打が投手にショックを与える。私の現役時代を考えても、安打のおよそ半分は芯で捉えていないと記憶している。初球からスイングしていく積極性があるから、詰まってもヒットになるんだと、そんな気の持ちようで臨んでほしい。

第2打席は、いい流れで打ちに行くかと思ったが、初球ストレートを見逃し。追い込まれ、最後は変化球に空振り三振。結果はともかく、初球から振りにいく準備ができていたのか。

ボールを見切るのが早い印象だ。それこそ、ボールがミットに入るまで目で追わないと。根尾の目のボールの追い方は、まるで打つ気がないように感じる。だから、余裕、間も感じない。初球から狙うことを念頭に、待っていたボールでなくても、じっくり見ることに取り組んでほしい。

何度もけん制されながら盗塁を決めた場面は良かった。そして、左翼の守備では邪飛にちゅうちょしたが、思い切りよく飛び込む判断力も見たかった。積極性の中でのミスは問題ない。2年目も課題はあるが、試行錯誤しながら、前向きにやってほしい。（日刊スポーツ評論家）

中日対楽天　試合中、グラウンドに落ちてしまったぬいぐるみを拾って子供に返してあげる中日根尾（撮影・横山健太）