DeNAは初回無死一塁で2番オースティンが強攻して三振した。その後、2死一塁で、盗塁を仕掛けて刺されたが、相手捕手からすれば読みやすく、先発投手の状態が定まっていない中で楽な序盤になった。

2番にどういう打者を置くか。監督の野球観によるし、正解も不正解もない。メジャーのトレンドで強打者を据え、長打力に期待する野球に日本も変わりつつある。巨人も昨季は坂本が3割、40本塁打を放ち、優勝に導いた。だが坂本は足も速くて併殺打が少なく、選球眼があり出塁率が高い。だから2番でも順応して打線全体として機能した。

守る捕手からすれば、バントをして8~9割の確率で得点圏に走者を進められてクリーンアップを迎える方が、打っても3割の確率に対するより嫌なもの。見ている方は古い戦術に感じるだろうが、グラウンド上ではプレッシャーを感じる。私の現役時代なら巨人川相さん、ヤクルト宮本の2番はいやらしかった。バントをさせないようにとカウントを悪くしていろんな仕掛けをされるかもと考えさせられることで、試合での疲労感が変わった。

DeNAは6回2死一、二塁でオースティンが逆転3ランを放った。こういう結果を待っての打順だろうし、それが今の時代の流れになっている。ただ強いチームにはいい2番がいる。3年連続日本一のソフトバンクには今宮、18年まで3連覇した広島も菊池涼はバント、ケースに応じた打撃もでき、長打も持ち合わせている。開幕前で阪神が近本、中日が高橋、ヤクルトが山田哲と2番を試している。今季は誰が2番にはまるかが、打線のカギを握る。(日刊スポーツ評論家)

DeNA対ソフトバンク 6回裏DeNA2死一、二塁、左越え3点本塁打を放ったオースティン(右)をハイタッチで迎えるラミレス監督(中央)(撮影・鈴木みどり)
DeNA対ソフトバンク 6回裏DeNA2死一、二塁、左越え3点本塁打を放ったオースティン(右)をハイタッチで迎えるラミレス監督(中央)(撮影・鈴木みどり)