阪神ジャスティン・ボーア
阪神ジャスティン・ボーア

どのチームにも言えることだが、完全に仕上がっているようには見えなかった。それがオリックス-阪神戦に限らず、わたしがセ・パ12球団の練習試合を見て感じたことだ。

開幕が約3カ月ずれ込んだことで、どこも調整が難しかったことは察しがつく。開幕を5日後に控えても、まだまだ自分のことで精いっぱいな動きが、投打に目立った印象が強い。

阪神は、メッセンジャー、ジョンソンが抜けた穴を指摘される。ここは人材がいなければ困るが、新外国人ガンケル、スアレス、エドワーズらを含む戦力でやりくりができる。

ストッパーを任される藤川も、9回の1イニングを投げた体の動きをみると大丈夫だろう。チームの上位浮上は、この投手力をどこまで打力でカバーできるかにかかってくる。

その打線は「4番」のボーア次第ということがはっきりした。オリックス先発の山本の課題はいかに直球の精度を上げるかだが、ボーアはそのストレートに差し込まれていた。

ただ、セ・リーグに山本のような速い球を投げるタイプは少ないから、いかに変化球に対応できるか。糸井、近本を1、2番に並べるのも、得点力アップを上げる方策だろう。後を打つ3番マルテ、4番ボーアが機能すれば心強い。

まだ対戦チームとの相性を考えるより、自チームを仕上げていくことを最優先にすべきだ。開幕してからどこがいち早くベストの状態に仕上げるかに注目したい。(日刊スポーツ評論家)

1回表阪神1死二塁、左中間へ先制の適時二塁打を放つマルテ。投手は山本(撮影・前田充)
1回表阪神1死二塁、左中間へ先制の適時二塁打を放つマルテ。投手は山本(撮影・前田充)