阪神は逆転負けで、巨人に3連敗。力負けと言ってしまえばそれまでだが、とにかく負け方が悪い。今3連戦でもクリーンアップでの得点はなく、打線を見てもつながりそうな気配がしなかった。

打てない打線を象徴してしまったのが、4番から6番に降格したボーアだった。6回2死満塁で打席が回ると、巨人は先発のサンチェスから左腕の高木にスイッチ。あっさりと二ゴロで倒れて無得点。唯一といっていい勝負どころを逃してしまった。この打席の内容を見ても、軸足に体重が残せず、ミートポイントを前にして打つ典型的な右投げ左打ちのタイプ。左投手と対戦した時の見逃し方を見ても、右肩が早く開いてしまうため、外角球が遠く感じてしまうのだろう。これだと外角球の見極めは難しく、打率は残せない。まだ3試合で今後、変わってくる可能性はあるが、現時点で左投手を打てる根拠は感じなかった。

右対右と比べ、左対左の対決は打者の方に分が悪い。理由として対戦数の少なさが挙げられるが、それだけではないと思う。日本球界の左打者は、ほとんどが右利きの左打ちで、左投げ左打ちの主力打者といえば、数えるほどしかいない。球界でもセ・リーグでは近本(阪神)大島(中日)雄平(ヤクルト)で、パが島内(楽天)中村晃(ソフトバンク)T-岡田(オリックス)ぐらいしか思い浮かばない。

この中で昨年、T-岡田以外は20打席以上、左投手との対戦があった。極端に打てなかったのは島内ぐらいで、他の左打者は苦にしていない。左利きの左打者は利き足である軸足に体重を残して打てるため、右利きの左打者より左投手に対応しやすいからだと思う。

今後もピンチの場面でボーアを迎えれば、相手チームは左腕をぶつけてくるだろう。右の代打を送るのか? 我慢してボーアが慣れるのを待つか? 頭を悩ませる試合が続くだろう。(日刊スポーツ評論家)