サヨナラ負けもショックだが、藤川の投球内容に大きな不安が残った。

西浦に打たれたのは、空振りかポップフライを狙った高めの真っすぐ。その球を軽々とスタンドインされてしまった。高めの真っすぐをあそこまで飛ばされるのは、後ろを任されてから記憶にない。球速は145キロだったが、火の玉ストレートと称される良い時のキレがない。制球ではなくキレで勝負する投手。今季初登板の23日ヤクルト戦でも青木と村上の連打で1点を許したが、年齢的なものも感じさせる連続失点になった。

8回に梅野のソロが出て、スアレスから球児へ。セーブのつく場面で今年初めての理想継投で、チームもカード勝ち越しできただけに衝撃は大きい。阪神は後ろに盤石の球児がいてこその勝ちパターン。その球児が今後も苦しいとなれば、チームはますます苦しい。次回以降も同様の投球が続くと、スアレスを後ろに回すなど方程式を組み替えないといけなくなってくる。

チームが浮上するには、捕手も梅野に固定することが必要だ。総合力で一番安定感がある。要が定まらないとチームの屋台骨がぐらつく。原口は代打の切り札、坂本は抑え捕手でより持ち味を発揮できる。打線が相変わらず打てないので、今はバッテリーで守り勝つしかない。1勝5敗と苦しいスタートになったが、DeNA戦は梅野で固定し、藤川の復調を期待したい。