9回表阪神2死一、二塁、サンズは逆転3点本塁打を放つ(撮影・浅見桂子)
9回表阪神2死一、二塁、サンズは逆転3点本塁打を放つ(撮影・浅見桂子)

ヒーローになったサンズを筆頭に、先制の犠飛を放ったマルテ、マルチ安打のボーアと、外国人が3人とも機能した。

真弓 やはり外国人が3人並ぶと“重み”を感じるね。初出場になったサンズの5打席(三振、右飛、三振、二ゴロ、本塁打)をテレビで見る限り、簡単にボール球を振るタイプではないとみた。選球眼もいいほうだろう。9回の逆転3ランに関していえば、山崎のツーシームが甘めに入ったが、サンズの心理からすると、カウント2-1だから、外寄りの球を予測しやすかったといえる。

どのチームにもいえることだが、外国人枠の拡大によって、その起用法はカギになる。

真弓 いきなり結果を出したのだから、サンズを外す理由は見当たらない。それとボーアに上昇の兆しが感じられた。来日初安打(6月24日ヤクルト戦)も変化球にバランスを崩しながら芯に当てた中前打だったが、この日もちゃんと左方向に打ち返した。

1回はマルテの犠飛で先制し、なおも2死三塁からピープルズの2球目、チェンジアップに手を出して三遊間を抜いた。8回も国吉の高めの真っすぐを左越えに単打。ただ気になるのは来日以来、4本のヒットはセンターから左方向で、引っ張る当たりがないことだ。

真弓 開幕直後のボーアは内外角ともに打てなかった。でも、ここにきてアウトコースに対応できるようになった。これから相手はインコースを攻めるようになってくる。それをさばけるようになれば本物だ。そして内外を交互に攻めてくるようになれば、打者は打ちやすくなるものだ。厳しい戦いを強いられているチームにとって、今後は中継ぎの起用法もポイントになってくる。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

1回表阪神2死三塁、ボーアは左適時打を放つ(撮影・浅見桂子)
1回表阪神2死三塁、ボーアは左適時打を放つ(撮影・浅見桂子)