今季初の連勝を決めた阪神だが、試合としては典型的な広島の自滅だった。チームの全8得点は、ボーア、大山、サンズの3人で挙げたものだが、広島バッテリーから崩れていった感のほうが強かった。

特に目についたのは「4番」に入った大山だ。5回の1-2からの左越え本塁打は、ストレートを狙いながらもカーブをうまく拾った。4日に右越え本塁打を打ったことも「力み」のない打撃につながったといえるだろう。

9回に広島フランスアのストレートにバットを押し込みながら右前に運んだのは進歩だ。ただマルテが万全になるまで大山起用が続くだろうが、今季の阪神が外国人に頼らざるを得ない状況に変わりはない。

ボーア、サンズに限らずチームの打撃内容はまだ全体的に上体で打っているケースが目につく。例えば広島で成長した4番鈴木の左越え本塁打は決して力任せに放り込んだのでなく、しっかりとポイントをとらえたものだ。

日本で成功するのはパワーだけでなく「タイミング&ポイント」であることをうまく助言したい。そのために今後はティー打撃だけでなく、違った形の練習法も必要になってくるはず。阪神の行方が外国人次第であることを改めて認識した1勝でもあった。