15日、中日戦の5回に阪神3番手で登板する藤浪晋太郎
15日、中日戦の5回に阪神3番手で登板する藤浪晋太郎

阪神のレギュラーシーズンも残り20試合になった。新型コロナウイルス感染にかかわる問題でなにかと騒がしい球団だが、ここは暗いニュースを封印するためにも絶対2位を奪い返したいところだ。

そこで残り試合の戦い方として気になっているのは藤浪の起用法だ。感染者の続出でリリーフに回った藤浪は、1イニング、あるいは1人の打者に向かって目いっぱいの投球をしている。

わたしはそのうち先発に戻すのかと思っていたら首脳陣はリリーフで使い切るかのような起用を続けている。そこは「?」だね。球速160キロを計測すると周囲は盛り上がるけど、そこは本質ではない。

リリーフはいくらでもいるではないか。来シーズン残留するとしてスアレスにとって代わって抑えに起用するとは考えにくいし、セットアッパーではもったいない。阪神は先発を育てないといけないよ。

また10月5日の巨人戦で、高橋が緩急を使って完投勝利を収めた。わたしは「坂本のリードが“違う高橋”を引き出した」と論じた。でも次の10月13日の中日戦の高橋は持ち前の速球の投げ方を見失っていた。

高橋についても一言いわせてもらうと、ここはちゃんと監督、コーチが本来の姿を気付かせてあげなくてはいけないね。来季に向けて藤浪と左右の2枚看板に育てるぐらいの姿勢が必要だろう。

リリーフではなく、先発ローテーション入りの投手を育てないと。そのために残りシーズンではもう1回、藤浪を先発の真っさらなマウンドに戻すことだ。まだ時間はある。そこに立ち返ってダメだったら、いろいろ考えたらいい。(日刊スポーツ評論家)

13日、中日戦の3回裏無死二塁、マウンドの高橋遥人のもとに集まる福原忍投手コーチら阪神ナイン
13日、中日戦の3回裏無死二塁、マウンドの高橋遥人のもとに集まる福原忍投手コーチら阪神ナイン