広島が12日、今キャンプ初の紅白戦を行い、佐々岡監督は鈴木誠也外野手(26)を3番、新外国人ケビン・クロン内野手(27=ダイヤモンドバックス)を4番に置く布陣をテストした。日刊スポーツ評論家の里崎智也氏(44)は、ディフェンス面の課題を指摘しつつ、ドラフト2位森浦大輔投手(22=天理大)、同3位大道温貴投手(22=八戸学院大)の新人2投手を高く評価した。

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5位に終わった広島の課題ははっきりしている。昨季のチーム打率、打点はいずれもリーグ2位。反して、防御率はリーグ5位、四球はリーグ最多、失策もリーグ5位と乱れた。せっかくの攻撃力を生かし切れていない。

くわえて大きなポイントが中継ぎ陣の不調だった。昨年のセ・リーグでは中継ぎ陣の充実ぶりがそのまま順位に反映している。広島が上位を狙うには、これらの課題にチームとして取り組む必要がある。その姿勢を練習試合でじっくり確認させてもらった。

守備面にもろい体質は変わっていない。主力組の先発床田は2イニング連続で四球を与えた。後続を併殺も、相手は控え組。先頭打者への四球などは話にならない。床田は昨年5勝8敗に終わっている。巻き返す立場で、この内容では心もとない。

さらに、控え組でも三塁上本が先頭打者の三ゴロをはじき、それが失点につながった。一塁林は反応の悪さから記録はエラーがつかないものの、処理すべき打球2つをヒットにしていた。キャンプ中盤の練習試合で、昨年と同じもろさを露呈していては、底上げへの意識がまだまだ不十分ということだ。

紅白戦 3回裏白組攻 紅白戦に登板したドラフト2位の森浦(撮影・加藤孝規)
紅白戦 3回裏白組攻 紅白戦に登板したドラフト2位の森浦(撮影・加藤孝規)

問題点が浮き彫りになる練習試合で、目を引いたのが新人2選手だった。控え組で登板したドラフト2位森浦大輔投手(22=天理大)、同3位大道温貴投手(22=八戸学院大)の積極性は光った。大道は4番クロン以下打者3人に、計5球を投げ、うち4球がストライク。それも5球すべてがストレートで、ストライク先行の姿勢が良かった。

昨年の中継ぎ崩壊という事情を踏まえると、こうした新人選手がアピールして、投手陣の活性化を促すことはチームとしては好材料となる。まずは、課題のディフェンス面を確実に強化してもらいたい。(日刊スポーツ評論家)

○…新外国人のクロンが、来日後初実戦の初打席で初安打&初打点をマークした。紅白戦で白組の4番一塁で出場。初回1死一、二塁のチャンスで中村祐の変化球を右方向にはじき返し、先制の右前適時打とした。助っ人は「いい感じ。非常に心地よく振れたと思う。打つべき球をしっかりと打てた」と振り返った。

紅白戦 4回裏白組攻 紅白戦に登板したドラフト3位の大道(撮影・加藤孝規)
紅白戦 4回裏白組攻 紅白戦に登板したドラフト3位の大道(撮影・加藤孝規)