<練習試合:巨人1-0中日>◇18日◇沖縄セルラー那覇

元横浜の日本一監督で日刊スポーツ評論家の権藤博氏(82)が、阪神のライバル巨人と中日に“潜入”した。18日の練習試合・巨人-中日(沖縄セルラー那覇)を視察。阪神には手強い存在と評した。

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中日もいいですね。先発とリリーフ陣がそろっている中、捕手と抑え固定が課題でした。でも昨季途中から木下拓とR・マルティネスに固定できたことが、3位浮上の大きな力になりました。マルティネスは球もすごいが、ストライクを取れる守護神の絶対条件を満たしている。セーブ王は阪神のスアレスに譲ったけど、ボール球の多いスアレスより安定、安心感がある。

捕手の固定も勝つために大きな条件のひとつです。でも阪神は昨季、どうしてよく梅野を代えたのか。同じような力の捕手が何人もいるチームは、回すしかないかも知れない。でも阪神は頭ひとつ、ふたつ抜けている梅野という、しっかりした捕手がいる。捕手は大事なセンターラインの中でも、扇の要です。中日のように、梅野で固定するかも大きなポイントでしょう。

話を中日に戻すと、根尾がポジションを取れそうな雰囲気を出してきましたね。しっかり振り切れるようになってきて、打撃が随分よくなっている。でもね、今年、京田を抜くのは無理。故障すれば別だけど、京田はそれほどヘボな選手じゃない。簡単に抜かれる選手じゃない。根尾は来年、再来年を見据えて2軍でじっくり実戦を積む段階。石川昂もいるし、楽しみに取っておけばいい。今言えるのは根尾が、京田も危機感を感じるぐらいの選手になってきたということです。

投手陣も安定しているので巨人を脅かす存在ですが、あえて不安を挙げれば大野雄でしょう。昨季は10完投6完封で沢村賞の大車輪。タイトルをかけた緊迫感の中であれだけ投げて勝ち続けると、なかなか疲れが抜け切らないものです。大野雄がどんな投球をできるかが、V争い参戦のポイントになるかも知れません。