日本ハムはがらりと雰囲気が変わったね。中田、大田、西川らの他球団移籍で若手中心になったこともある。でも就任からあれだけメディアに露出した監督は記憶にない。チームからはつらつさが伝わってくるのはまさに“ビッグボス効果”だろう。
このメンバーでレギュラーといえるのは近藤ぐらいで、今のところだれが出てくるか分からない。そこに新庄監督によるチーム作りの狙いがあるのだろう。若手がアピールし合うことで、チーム全体の活気につながっている。
この日の紅白戦では、センター五十幡が三塁へ好返球。アグレッシブなチャージが評価できる。追い込まれた後の対応力などが求められる野村は、サク越えを披露した。2安打の清宮もだいぶ体が絞れていた。
新庄監督は私に「投手のことは分からない。継投はピッチャーに聞いていいですか」と打ち明けた。どのチームにも言えることだが、延長12回制が3年ぶりに復活することで、継投はポイントと踏んでいるのだろう。
主戦のキャッチャーに誰を起用するのかも白紙状態だ。誰がどこにはまるのか、まったく見えていない。不透明だ。今年の日本ハムは、どういったチームが出来るのかが分からない。そこに、面白さがある。
正直いって、オリックスなど上位球団と比較すると戦力差があるのは否めない。だが、これから来日してくる投打の新外国人にメドが立てば十分戦える。3年連続Bクラスに低迷したチームが“台風の目”になる可能性は十分にあるとみたね。
(日刊スポーツ評論家)