交流戦を下位球団の視点から考え、いかに大チャンスの3週間かを解説したい。同一リーグとの戦いでは、上位球団とのゲーム差はよほどの大型連勝、大型連敗でもない限り、1カ月で2~3ゲーム差を縮めるのがアベレージだ。それが交流戦になると、自分たちさえ勝っていけば、同じリーグのライバル球団が負ければ希望はどんどん膨らむ。

わずか3週間で走り抜ける18試合だが、ここで一気に差を埋めるという展望が開けてくる。例えば阪神、日本ハムはここで巻き返すために、是が非でも13勝の優勝ラインを念頭に目の色を変えて戦ってほしい。これまでのデータから、単独での1位ライン予想は13勝5敗。12勝6敗は同率首位のケースもあり得る。机上の計算になるが、同じリーグの他球団が負けてくれれば、阪神も日本ハムも一気に浮上するチャンスが巡ってくる。

07年、日本ハムは当時24試合制だった交流戦を18勝5敗1分けで駆け上がり、ペナントを制している。となれば、優勝は目指さないと公言したBIGBOSSだが、交流戦次第では、それこそ夏場を迎えて優勝争いに食い込むことも夢ではなくなる。

私は交流戦の時は、パの他球団は負けろと思いながら戦っていた。負けてくれれば、下には差をつけられるし、上位との差をどんどん詰めることができる。パが強いとか、セが負け越したとか、リーグの成績など一切気にも留めなかった。

最後に、佐々木朗希の登板は注目だ。週末登板で行くなら阪神、巨人、DeNAとの対戦になる。個人の打者との対戦までは具体的に描けないが、完全試合をやってのけた剛速球を佐藤輝、岡本和、牧などの主軸が、どこまで対応するか、そこは見どころだ。(日刊スポーツ評論家)