私自身4年ぶりの巨人キャンプは戸惑いの連続だった。昨季まで2年間、担当したDeNA、その前年の西武との比較になるが、報道陣の人数は在京球団では圧倒的に多い。それに付随して評論家も同様。キャンプで選手をサポートする球団スタッフの人数も多い。とにかく人が多い。人間は大勢の中に紛れるだけで疲労度が増す生き物だと再認識させられた。

 社内事情になるが、昨季までの3年間は基本は1球団を1人の記者で取材していた。巨人は4人の担当記者で取材している。記者間の連絡や予定の確認作業など些細(ささい)なことだが、時間を要する。取材メモ、取材ポジションの共有作業も昨季までとは異なる。

 一方で醍醐味(だいごみ)もある。2000安打まで残り83本に迫っているベテラン阿部、ケガからの復活を期す杉内、村田、内海、大竹ら実力者の意地。目の前にはビッグネームの取材対象者たちが並ぶ。阿部の言葉を借りるなら「巨人だからこその責任、使命は大きい」。我々、記者は巨人軍ではない。ただ、巨人担当記者としてプライドを持って取材に臨みたいと強く感じた。【巨人担当=為田聡史】