先日誕生日を迎え、39歳になった。めっきり、マンガは読まなくなった。中学の頃、夢中になったのはスラムダンク。小学生のときはドラゴンボールだったか。主人公・孫悟空の前に次から次へと現れる強敵。序盤に難敵だった天津飯やチャオズは、物語終盤ではすっかりザコキャラに。そりゃそうだ。出てくる敵がどんどん強くなるからこそ、興奮や感動が生まれていく。

 感動といえば、昨年の日本ハムのリーグ制覇。なんたって11・5ゲームもあった差をひっくり返したのだ。苦しい時期も近くでチームを取材した。胸を打たれ、記者席でこっそり涙をぬぐった(私が尊敬する某先輩にだけは見られていたようだが…)。

 「これ以上の感動なんて、あるんでしょうか」。シーズンが終わってしばらくしたころ、思わず栗山監督に言ってしまったりもしたものだ。

 いや、しかし、あったのだ。連覇を狙う今季、4月に2度の大型連敗を喫し、大量の借金。ケガ人続出で、開幕から逆噴射した。昨年以上の低迷。だがここからだ。5月に入ると3連勝スタートで、まずは最下位を脱出。栗山監督だって「これもドラマ。絶対に起こしてやる」。諦めるわけがない。4月についた、首位・楽天との最大ゲーム差は12・5。昨年より1ゲームだけ“ハンデ”を多くするなんて、絶妙な演出。あの“鳥肌連続”の秋へ。感動を生む準備は整ったようだ。【日本ハム担当=本間翼】