巨人阿部が1軍から姿を消した。18日の交流戦最終戦のロッテ戦で右膝を負傷しベンチに退いた。

 この試合で2本塁打を放っていた主砲は試合中に病院に直行。翌19日に出場登録を抹消された。今季、自主トレ中から最大目標に掲げていたのは「1年間プレーすること」だった。ロッテ松永の内角球を避けた際の“事故”で無念の離脱を強いられた。

 厳しく内角を攻められるシーンは何度も見てきた。今回だけではなく、打席でのけぞってひっくり返されることは珍しくない。この現象は、相手バッテリーから最も警戒されている打者としての証しでもある。プロ17年目。全盛期に比べれば衰えは否めない。一方で「阿部さえ抑えれば」という相手バッテリーの心境にはそれほど変化はない。チームでの存在感、影響力はいまだ健在だといえる。

 だから1日でも早い復帰が待たれる。負傷後、2日間は痛みが強く完全休養で治療に専念した。そこからは無休でリハビリに励んでいる。日に日にペースは上がり負傷から1週間後の25日にはマシン打撃とノックを敢行。27日にはスパイクシューズを履き、屋外でのフリー打撃も行った。「できることをやる。1日でも早く。その気持ちを強く持ってやれば、その分だけ復帰は早くなる」。頼れるベテランの戦列復帰が巻き返しには必要不可欠となる。【巨人担当=為田聡史】