新監督の描くキャンプが見えてきた。

 ロッテは1日から千葉・鴨川で秋季キャンプを行っている。最初の3日間を取材したが、昨年までとの違いが目についた。

 まず大きく異なるのは、参加人数だ。例年は若手に絞り、30人前後に限られていたが、今回は総勢51人。参加していないのは、大ベテランの福浦、投手陣の年長者である大谷、内、涌井、あとは帰国済みの外国人に限られる。手術明けの根元らリハビリ組みも参加。秋にしては大所帯となっている。

 そこで心配になるのは、練習が回るのかということ。だが、杞憂(きゆう)だった。練習メニューの組み方に工夫があった。特に、野手。大きく2グループに分けられ、1グループがメイン球場で打撃練習などを行っている間、もう1グループは室内やサブグラウンドで練習する。全員で同じメニューをするのではなく、空いている施設を使って効率的に消化している。

 昨年は、まず午前10時に、投手、野手全員が陸上競技場に集合。午前中いっぱいを使って、ウオーミングアップから強化メニューまでこなした。一転、今年は午前9時開始と1時間、繰り上げ、しかもアップは30分で終了。その後は、先に書いたように、グループごとに別れ、鴨川の施設全体を使う。しかも、野手は午後1時半までぶっ通し。ようやくランチを挟み、午後(といっても、既に午後2時を過ぎている)は個別メニューに当てられる。その内容は、一部のピックアップをのぞき、個々の判断に任されていた。

 全体メニューを効率よく終えることで、個別の時間を長く取った格好だ。選手に感想を聞くと、「濃い」という返答が多かった。特に、野手は午後1時半までぶっ通し。「1つ1つのメニュー自体は、そこまでハードではないのですが…。何もしない無駄な時間がないですね」と角中。鈴木も「スタートが早いのもあるけど、濃密です」と同感。若手の意見も同じようなものだった。

 井口監督は来春の石垣キャンプでは、1軍、2軍の枠を撤廃することを予告している。島の施設全体を使って、ほぼ横一線で競争させるつもりだ。今回の鴨川キャンプは、予行演習のように映る。ギュッと詰まった鍛錬で、チームの立て直しを進めていく。【ロッテ担当=古川真弥】