もうすぐプロ野球が開幕する。レギュラー、先発ローテーション、1軍入りをかけたそれぞれの競争も、最終盤を迎えようとしている。飛躍を目指す選手もいれば、リベンジを期す選手もいる。長いようであっという間のシーズンが、今年もやってくる。

 20年ぶり優勝を目指す裏で、来シーズン以降を見据えた育成も並行して遂行されいる。高田繁GM(72)は「今年は阪口と中川。この2人はファームで経験を積ませる」と方針を明かした。ドラフト3位阪口皓亮投手(18=北海)と育成ドラフト1位中川虎大(18=箕島)の2人を“特別強化選手”に指定。昨季は高卒1年目だった京山将弥投手(19)を同様にファームで出場機会を持たせて、チーム唯一規定投球回数に到達。2年目の今季、3月6日阪神とのオープン戦で5回無失点と好投し、ローテ入りをアピール。育成を経て飛躍を遂げようとしている。

 一方で即戦力と見なせば、上で積極起用する。清宮斬りのスライダーを持つドラフト5位桜井周斗投手(18=日大三)は、キャンプ終盤から1軍登板機会を獲得。同GMは「将来的には先発候補の1人」としながら、1年目から左の中継ぎ争いに加える“英才教育”を施す。若手を積極起用するアレックス・ラミレス監督(43)も「1軍レベルのスライダーだ」とテストを繰り返している。

 1軍を「強化」しながら、将来を見据えた「育成」を絶やさない。各球団スコアラーの間では「今年のDeNAは特に手ごわい」と警戒網を張られている。年々着実にチーム力をつけているDeNA。優勝候補の一角に挙げられるには、明確な理由があった。【DeNA担当=栗田成芳】