第2のアジャを目指して-。楽天岩見雅紀外野手(24)が岡山・倉敷のマスカットスタジアムで行われている秋季キャンプ第1クール2日目の10日、「金森塾」に入門した。ロッテ井口監督や、元中日和田氏、元マリナーズ城島氏らを育てた新任の金森1軍打撃チーフコーチ。今季までロッテに在籍し、アジャこと井上をブレークさせた。そんな名伯楽が見守る前で、岩見は黙々とロングティーを始めた。

合間に金森氏の元へ歩み寄り、身ぶり手ぶりで体の使い方を確認。直接指導は約30分にわたった。「先生」と呼ぶ師のレッスンは「全部ためになることばかり。『分からないことは、ちゃんと分からないと言っていい』と言われて。そうですよね。先生」と笑顔で同コーチを尋ねた。「今までは振っているだけだった。しっかり最短距離でバットを振り落とす」と課題に気付かされる日々。

慶大のバレンティンと呼ばれ、和製大砲候補として17年ドラフト2位で入団するも、苦汁をなめた1年目だった。12試合に出場し、24打数無安打。同年ドラフトで加入した山崎、高卒の西巻がプロ初ヒットを記録する中、期待された快音が響くことはなかった。実りの秋とするため-。「毎日が勉強です」と表情は曇っていない、生き生きとしている。金森コーチは「いいものは持っているけど、まだまだ」と、簡単には合格のサインは与えてくれない。浪人を経験し、難関・慶大の試験をパスした岩見。力を蓄え、笑顔で春を迎えたい。【栗田尚樹】