巨人の社会貢献活動「G hands」の一環で行われた小学校訪問を取材した。5日に今年7月の西日本豪雨で被害を受けた岡山・倉敷市真備地区を訪れた。

訪問先の二万小へタクシーで向かう道中、運転手から現状を聞いた。「被害の大きい家は、窓を開けて乾かしているところが多いね。泥のにおいが大変だよ。復興はまだまだだね」。車内から見える範囲だけでも、窓を全開にした家が数多く見られ、割れた窓ガラスに乾いた泥がこびりついていた。途中に通った箭田小は2階まで浸水。周辺の家と同じく、窓は全開にされていた。平日の午前中にもかかわらず、時が止まったかのように人の気配がなく、異様な雰囲気に息をのんだ。

箭田小の生徒は二万小敷地内にあるプレハブ仮設校舎に通学している。すれ違うごとに、元気いっぱいに大きな声であいさつをしてくれた。巨人から大城卓三捕手(25)、吉川尚輝内野手(23)が同校を訪問。体育館での質問タイム、キャッチボールなどの交流を通じ、2選手も「みんな明るくて元気でその子供から勇気をもらって圧倒されました」(吉川尚)「自分たちが元気を与えなきゃいけないのに逆に元気をもらいました」(大城)と子どもたちのパワーに驚いていた。

2日間とも参加した長野の言葉が心に残った。「本当にまだまだ大変な思いをされている方がたくさんいらっしゃると思いますし、そういうことにみんながもっと知ってくれたら助け合えることもあるんじゃないかと思う。こういう被災された場所に来ようと思っています」。

4日に訪れた、熊本地震の被害を受けた益城町の小学校を含め、2日間で5校の児童と選手の交流を取材し、苦しく、厳しい状況の中でも目を輝かせ、走り回る子どもたちの笑顔がまぶしかった。目で見て、耳で聞いて、肌で空気を感じる。人づてに知るだけでなく、現場へ足を運ぶことの大切さを改めて実感した。【巨人担当 桑原幹久】