改修中のZOZOマリン
改修中のZOZOマリン

ZOZOマリンの改修工事が進んでいる。新たに3席種計746席を増設するためで、来年3月のオープン戦から使用を開始する。

ひと言でいえば狭くなる。ダッグアウトは最大5メートル、外野フェンスは最大4メートル前に出る。球場の特徴の1つだった広々としたファウルゾーンも狭まる。この変化をどう捉えるか。選手のポジションによって意見が分かれるのが実情だ。

野手からは歓迎の声が多い。例えば今季24本塁打を放ち、和製大砲として開花した井上晴哉内野手は「今までのフェン直(フェンス直撃打)がホームランになる。次の大台(30発)に乗れるかもしれない」と息巻く。安田尚憲内野手も「そこを狙うわけじゃないですけど、よりホームランが増えると思う」と話す。チームの総得点アップが見込める。

逆に投手陣は改修に反対したという。自軍の得点力が増す一方で、被本塁打も増える。益田直也投手は「野手はうれしいだろうし、見る人もホームランが出るほうが楽しいだろうけど、僕らはいやですね。打たれてもチームが勝てればいいですけど」。リードする田村龍弘捕手は「ヤフオク(ドーム)と一緒ですからね。これまでマリンでできた配球ができなくなる。ライナーを打たせられない。バッテリーからしたら得はない」と証言する。

守備の観点では、ロッテの外野手は名物の浜風を読んで守る「地の利」があった。強風に翻弄(ほんろう)されてボールに追いつけない他チームの外野手をたびたび見てきた。その利点はなくなってしまうように思う。

では益田の言うように、ファン視点ではどうだろう。単純に点の取り合いは見ていておもしろいだろうし、現地観戦派もよりグラウンドレベルに近づける新シートはワクワクするはずだ。最大収容人数は3万806人となる。新シートの年間席分は既に完売。観衆が多いほうが球団としても盛り上がる。

昨年から2年連続80敗を喫したロッテ。3年連続というわけにはいかない。改修が勝敗に損と出るか得と出るか。新しくなった本拠地で19年はどんな戦いを繰り広げるのか-。5年ぶりにロッテ担当を務めたが来季は遊軍となる。また時々マリンにおじゃまして取材するのを楽しみにしたい。1年間、ありがとうございました。【ロッテ担当 鎌田良美】