ヤクルトと日本ハムの2対2のトレード成立には、驚いた人が多かっただろう。ヤクルトの秋吉亮投手(29)谷内亮太内野手(27)と、日本ハムの高梨裕稔投手(27)太田賢吾内野手(21)の大型トレードが、12月11日に両球団から発表された。

決定後、谷内を取材した際には「突然でびっくりしましたけど、僕にとってはチャンスだと思っている。チャンスをいかせるようにしたい」と話していた。プロ野球選手としての第1歩を踏み出したヤクルトへの愛着は大きいと思うが、転機を前向きにとらえていた。

くしくも、初めての“教え子”と同じパ・リーグで戦うことになった。今オフ、スーツ姿で地元石川へ帰ったことがあった。母校である金沢西の後輩、泉圭輔投手(21=金沢星稜大)がドラフト6位でソフトバンクに指名され、祝賀会に参加するためだった。実は国学院大4年時の教育実習で母校に帰った際に、指導した“教え子”。地元の大学に進学し、努力を重ねてプロ入りを果たした後輩のがんばりに「すごいですよね。うれしいですよ」と喜んでいた。同じリーグとなり、来季以降の対戦も楽しみの1つとなるだろう。

谷内はトレード決定後も、戸田球場で自主トレを行っていた。練習終わりには、サインの行列が出来ていた。背番号46のユニホームを手に並ぶ人が多く、サインをもらい終えると涙をぬぐう人もいた。「若い、勢いのあるチームの日本ハムで、なんとかその中で勝つための一員になれるようにしたい」。ヤクルトファンの思いも胸に、新たなチャレンジへ力強く踏み出す。【ヤクルト担当 保坂恭子】