日本ハム栗山英樹監督(57)がルーキーたちに発する「ありのまま」には、明確な意図があるようだ。2日、2軍キャンプ地の沖縄・国頭村では、昨夏の甲子園大会決勝で対決したドラフト1位吉田輝星投手(18=金足農)と同5位柿木蓮投手(18=大阪桐蔭)の高卒ルーキー2人が、そろってブルペン入り。投球練習を見守った首脳陣2人の意見が、重なった。

気負いなのか、不満の残る投球となった吉田輝星に対してだ。荒木2軍監督が「修正は、する気がない。好きなように、思い切り投げてくれたら、それでいい」と言えば、加藤2軍投手コーチも「2月中は新人をいじる予定はない」と断言し「ドラフトで評価された実力で、打者と勝負してもらえれば」。なにも、放任主義というわけではない。技術面だけでなく、アマチュア時代に培った修正力や適応力もひっくるめ、現在地をはっきりとさせてから育成に着手しよう-。首脳陣の一貫した考えが、透けて見える。

ふと、吉田輝星を担当した白井スカウトの言葉が浮かんだ。「吉田は試合で力んでも、修正する能力があるんです」。甲子園という大舞台で、打者と相対した時に発せられた“力”を、高く評価しているのだ。

加藤コーチいわく「元気があって、度胸もある」という吉田輝星は、大自然に恵まれた沖縄北部の小さな村で、伸び伸びと、楽しそうに初キャンプを送っている。まずは、16日に国頭で行われる1、2軍合同の紅白戦が試金石。実戦での姿が、楽しみだ。【日本ハム担当=中島宙恵】

日本ハム柿木蓮(2019年2月5日撮影)
日本ハム柿木蓮(2019年2月5日撮影)