今季9年目を迎えるオリックス後藤駿太外野手(25)が、宮崎春季キャンプで猛アピールを続けている。ここまで紅白戦6試合に出場し、12打数4安打1打点1盗塁をマーク。後藤は「余裕を持って打席に立てている。いい準備ができて試合に臨めていると思います」と明るい表情で語った。

登録名を「駿太」から「後藤駿太」に変更して臨んだ昨季は悔しいシーズンとなった。新人の11年には開幕スタメンを勝ち取り30試合に出場。13年から5年連続で100試合以上に出場するなど、オリックスの中心選手として活躍。しかし昨季は33試合の出場にとどまり、打率も2割1分6厘と奮わなかった。

減俸となった昨オフの契約更改時には「悔しかった。情けないし『無』な感じで何もなかった」と悲愴(ひそう)感漂う表情で昨季を振り返った。しかし首脳陣の期待も込められ、今春のキャンプは1軍スタートで迎えた。

「1軍スタートだとは正直思っていなかった。このチャンスを生かしたい。首脳陣には全部見てほしい。言葉にすると責任も出てくる。それくらい自分にプレッシャーをかけないと。今年はそういう年なので」

現在打撃フォームの改善に取り組み、状態を上げてきた。「下半身をしっかり使って、あんまり振りすぎないことをテーマにしています。100%じゃない力でインパクトの時に体の力が抜けないように」。さらに「左肩が出ないように、なるべく胸が投手に見えないように意識しています。今は納得する形でできていると思う」と明かした。

20日の紅白戦でもアピールに成功。「9番中堅」で出場。5回1死走者なしからの第2打席。斎藤の高めの直球を右前に運び、守備がもたつく隙をついて二塁打とした。「常に次の塁を狙うのがチームの方針。あとは自分が外野をやっていてわかるんですけど、体が立った状態でゴロをとると次に投げにくいので」と説明した。

守備でも4回1死走者なしから宮崎が放った右中間に抜けそうな打球に追いつき見事キャッチ。試合後に西村監督は「駿太は守備が持ち味ですから。その中で打者でもアピールしてくれているので、外野の争いは激しくなりますね」と評価した。

後藤は「泥臭さというか、何事にも一生懸命な姿を見てほしいし、そうでなければいけない」と覚悟を口にする。23日から始まる対外試合に向けて「もっとチャンスは減ってくると思う。気を引き締めてシーズンと同じ準備をして集中力を持って臨みたい」と力を込めた。好調を維持し、激しい外野手のスタメン争いを勝ち取れるか、注目だ。【オリックス担当 古財稜明】