豪華な二遊間が“結成”されていた。9日に倉敷で行われたオープン戦の試合前、楽天藤田一也内野手(36)のもとへ西武源田壮亮内野手(26)があいさつに訪れた。

年齢はひと回り近く離れている。高校や大学の先輩後輩でもなければ、同郷というわけでもない。一緒に自主トレをしているといった話も聞いたことがなかった。「守備を教えてもらってるんですよ」。藤田は笑いながら、意外なつながりを明かしてくれた。

藤田がキャンプ2軍スタートだった16年にさかのぼる。楽天の2軍は2月に宮崎でトヨタ自動車との交流試合が組まれていた。「あいつ、今年間違いなくプロにかかるらしいぞ」。トヨタ自動車のOBでもある当時の平石2軍監督から教えてもらった遊撃手が源田だった。「社会人の時からバリバリにうまかった。(プロの目から見ても)何も言うことがないくらい」。衝撃の出会いに始まり、今もあいさつを交わす仲だという。

今季、3度のゴールデングラブ賞に輝いた鉄壁の二塁から遊撃に主戦場を移している。二塁が本職の浅村のFA加入が決まった段階で真っ先に取り寄せたのが、源田モデルのグラブだった。「どんなグラブを使ってるのかなと思って」。他にも巨人坂本、三塁守備の可能性も考慮してヤクルト宮本ヘッドコーチが現役時代に三塁転向後に使っていたグラブなども送ってもらい、新たなトライに備えた。

「ケガさえしなければ、ゴールデングラブ賞の常連になりますよ」。源田の守備に対する最大限のリスペクトは、3年前から変わらない。9日の試合では、2人とも「2番遊撃」でスタメンに名を連ねていた。「今日も勉強させてもらいます!」。貪欲な姿勢で若手との定位置争いに挑んでいる。【楽天担当 亀山泰宏】

華麗な守備を見せる西武源田(撮影・河野匠)
華麗な守備を見せる西武源田(撮影・河野匠)