沖縄でのナイターは、独特な雰囲気だった。スタンドでは指笛がひっきりなしに鳴り響き、ファンが突如として「カチャーシー」を踊り出す。それを見たファンのボルテージがまた上がる。地元出身の西武山川の地元弾に盛り上がっていたかと思えば、終盤ソフトバンクの猛追にまた盛り上がる。何でもかんでも盛り上がるスタンドに、山川も「いったいどっちなんだろうと。それも沖縄らしくて、いいところですけど」と、笑っていた。

2戦目の始球式、バッター役に元ボクシング世界王者でタレントの具志堅用高が登場。オリオンビール・キャンペーンガールが投げた球を豪快に空振りしながらも、一塁へ全力疾走。すると、そのまま一塁の守備についていた山川と抱擁し「ホームラン見せてください!」とおねだり。沖縄の人たちによる、沖縄の人たちのための2試合は、いずれも満員御礼の大盛況だった。

5月に入り、各チームの地方開催が増えた。全国津々浦々から集まった選手が、普段は試合のない地元へ凱旋(がいせん)することによって注目を浴び、モチベーションを高めることは、地方開催の醍醐味(だいごみ)だと思う。29日には外崎の地元である青森・弘前で楽天戦がある。沖縄とはまた違ったムードが、後押しするに違いない。【西武担当 栗田成芳】

21日 7回裏西武1死一、二塁、山川穂高は左越えに3点本塁打を放つ。スタンドのファンも大喜び(撮影・梅根麻紀)
21日 7回裏西武1死一、二塁、山川穂高は左越えに3点本塁打を放つ。スタンドのファンも大喜び(撮影・梅根麻紀)