<ロッテ3-6ソフトバンク>◇24日◇ZOZOマリン

強烈な西日を真正面に受けて敵地・ZOZOマリンスタジアムの三塁側ベンチ前に姿を見せたのは、ソフトバンク王球団会長だった。ゴールデンウイーク後は東京滞在が長く、チームとは久々の対面。沖縄・那覇で西武に連敗を喫して乗り込んだ千葉・幕張。チームの激励のため王会長は足を運んだ。

「(チームは)よくやっていますよ。だってまだまだ貯金があるんだからね」。そう言って王会長は背筋を伸ばした。柳田、中村晃、上林ら多くのケガ人を出し、チームは苦しい選手起用が続く。この日も、スタメンから今宮、内川が外れた。それでも首位を譲ることなくペナントを走り続けているだけに、王会長もさらにチームを鼓舞したい気持ちが高まったようだ。

思い返せば、監督時代から千葉・幕張の地は「鬼門」と言われてきた。ダイエー監督2年目の96年開幕戦では苦手左腕の園川を開幕投手に送り込んだロッテに「(開幕投手には)格というものがあるだろう」と、怒りをあらわにしたこともあった。監督最終年となった08年は千葉マリン(現ZOZOマリンスタジアム)では4勝9敗と大きく負け越し。05年、10年ロッテ「下克上の日本一」ではホークスが敗れ去った。

今季3連敗だった敵地で白星を手にした。延長戦に持ち込まれながらデスパイネ、松田の連弾でケリをつけた。「クリーンアップで(安打が)10本だろ。大きかったね」。20日に79歳となった王会長にとっても、4日遅れのうれしい誕生プレゼントとなった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】