<ソフトバンク1-3ロッテ>◇9日◇ペイペイドーム

勝負の秋となった。ホークスはロッテを本拠地ペイペイドームに迎えて首位攻防の3連戦である。この時期にロッテと首位争いをするのは、何年ぶりのことだろうか。

今季はソフトバンクが球界参入して15周年のメモリアルイヤー(シーズンは16度目)。思い起こせば、ソフトバンク元年の05年は、何とも苦い思い出となった。リーグ断トツの89勝45敗2分けの成績を残しながら、プレーオフ第2ステージで2位ロッテに敗れた。ロッテは日本シリーズでも阪神に4連勝。31年ぶり3度目の「日本一」に輝いた。当時の規定はプレーオフを勝ち抜いたロッテがリーグ優勝チームでもあり、ホークス王監督(現球団会長)の無念の表情が忘れられない。

10年にも3位ロッテにプレーオフで敗退。いわゆる「下克上」を2度も味わった過去があった。

握手を交わすソフトバンク工藤監督(右)とロッテ井口監督(2019年2月撮影)
握手を交わすソフトバンク工藤監督(右)とロッテ井口監督(2019年2月撮影)

それから10年…。ガラリとお互いの陣容も様変わりし、新たな「因縁」も生まれた。井口監督をはじめ、鳥越ヘッド、的場、清水コーチなどホークスOBでもある首脳陣に加え、昨オフには福田秀がFA移籍。昨シーズンは8勝17敗と大きく負け越し、V逸の最大要因ともなった。そして今年はこの日の敗戦で4勝11敗1分け。相変わらずの苦手ぶり、である。ここにきて、ロッテは主力選手を含む10選手以上が新型コロナウイルスに罹患(りかん)。チーム編成厳しい中の首位攻防戦となった。

「何とも複雑な気持ちですが、やっぱり今年は井口監督に勝ってもらいたい気がしますね。彼は強い運を持っていると思いますよ」。そう言って3連戦に注目していたのは、ダイエー時代の球団代表でもあり、ロッテ日本一となった当時の球団社長でもあった瀬戸山隆三氏だった。

3年ぶりのリーグV奪回を目指すホークスにとって、このままロッテのカモになるわけにはいかない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】