<ソフトバンク5-0楽天>◇17日◇ペイペイドーム

ペイペイドーム名物の勝利の花火が終わると、屋根がゆっくりと開いて行く。暗闇のグラウンドに、まばゆい光が降り注ぐ。ホークスは今季2度目の7連勝。ロッテとは4・5ゲーム差となった。少々気の早い話だが、3年ぶりリーグVへまた、視界が開けた。

柳田、グラシアルが1発を放ち、成長株の栗原が満塁から走者一掃の二塁打。中軸で全5打点をたたき出した。昨年のCS(クライマックス・シリーズ)、日本シリーズで、1敗から10連勝。あの勢いを思い起こさせる快進撃だ。

16日の試合で、腰の張りで途中交代したグラシアルが存在感を見せつけた。4回に10号ソロを放ち、5回は栗原の右中間二塁打で一塁からホームインした。学生時代は軍隊学校で学んだ。「規律性」を最も重んじる助っ人だけに、フォア・ザ・チームの思いは強い。昨年の日本シリーズ。4戦3本塁打など16打数6安打でMVPに輝いた活躍は、記憶に新しい。リーグVを達成し、CSを勝ち抜けば、再び巨人とシリーズで激突することになるだろう。

またまた気の早い話になるが、日本シリーズで2年連続で巨人を倒したのは56~58年西鉄、76年~77年阪急の2球団しかない。昨季、日本一になったとき、王球団会長は言った。「これがゴールではない。来年の戦いはスタートしている。今年よりも中身が濃い年にしたいよね。また新たな戦いが始まる。また一からスタートしましょう」。有終のゴールへ。Vロードは明るく照らされ始めた。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

4回裏ソフトバンク無死、左中間へ本塁打を放ち、ベンチ前でボクシングポーズをとるグラシアル
4回裏ソフトバンク無死、左中間へ本塁打を放ち、ベンチ前でボクシングポーズをとるグラシアル