ソフトバンクの宮崎キャンプも、残り1日となった。28日は午前で練習を打ち上げ、チームは福岡に戻る。藤本新体制で「競争」をテーマに掲げ、臨んだ鍛錬の日々。約1カ月の「収穫物」をどっさりバッグに詰め込むことはできたのだろうか? 

ソフトバンク藤本博史監督(2022年2月21日撮影)
ソフトバンク藤本博史監督(2022年2月21日撮影)

中堅のレギュラー争いは横一線。三塁の定位置争いも2年目の井上が打撃でアピールしてはいるものの、大砲候補のリチャードは技術面以外の準備不足を指摘されるなど、苦悩の日々が続いている。B組はこの日、社会人との練習試合。4番三塁で先発出場したリチャードは、王球団会長に成長した姿を見せることはできなかった。4打数無安打、2三振。打撃は迷宮入りしてしまったようだ。

2番手捕手争いも、九鬼、海野がアピールできない。そんな中、この日の練習試合で今キャンプ実戦初マスクの谷川原が8、9回を無失点リード。打っては先制二塁打を含む2二塁打に右中間へのソロ本塁打と活躍した。1クールに1度の割合で捕手練習は行ったというが、久々の実戦マスクでも制球に苦しむ育成左腕の村上にミットの構えを変えて投げやすくするなど、捕手らしい工夫もあった。3月2日からの福岡でのオープン戦には1軍昇格する予定だ。

ドタバタ感は否めない。それでも谷川原にとっては大きなチャンス。「誰よりも打って、誰よりも守備で頑張って開幕1軍目指して頑張っていきたい」。谷川原は気持ちを引き締めた。

2軍の練習試合を視察したソフトバンク王球団会長。手前は小久保2軍監督(撮影・梅根麻紀)
2軍の練習試合を視察したソフトバンク王球団会長。手前は小久保2軍監督(撮影・梅根麻紀)

王会長も「福岡で出直し」と話していたが、まだまだチームの「開花」には時間がかかりそうである。【ソフトバンク担当 佐竹英治】