現在放送中のテレビアニメ「パリピ孔明」が異彩を放っている。三国志時代の軍師、諸葛孔明が現代に転生し、音楽業界で活躍する物語。よくありそうなタイムスリップものではあるのだが、史実にあったとされる「計略」を元にしたアイデアで逆境を切り抜けていく場面もあり、意外に奥深い。三国志らしい、いでたちの孔明と軽妙なクラブ音楽のギャップも相まって、独特の魅力を醸し出している。

さて、何の前置きかというと、ソフトバンクの「軍師」の話だ。6年目の三森大貴内野手(23)のこと。20年に、打席から相手の悪送球を誘ったプレーが話題となり、計略で相手を陥れる「軍師」のようだと、一部で広まった。それから2年、群雄割拠だった二塁争いを制し、今季は1番打者として定着。打撃の各部門でチーム上位という存在感を見せると、由来をすっ飛ばして、語呂も良くキャッチーな「軍師」の愛称がネットを中心に定着してきた。

「軍師」らしいプレーも披露した。4月26日西武戦の守備では、フライアウトの際に二、三塁間から二塁を踏まずに一塁へ戻った相手走者の走塁ミスを見逃さず、リクエストを要求してアウト。藤本監督も「三森の大ファインプレーですね。状態もいいし、そういうところにも目が行くようになっているんじゃないかなと思います」と絶賛していた。冷静沈着に、周囲を見渡す「軍師」ぶりも持ち合わせる。攻守において、チームに欠かせない存在になってきた。【ソフトバンク担当=山本大地】