スタジアムが職場の記者が、球場を楽しむ極意を伝授します。まずは日刊スポーツ野球部きってのグルマン、島根純記者(32)が「ならでは」の情報を。

 ◇  ◇  ◇

まさかの裏技を発見! 完全キャッシュレス化された宮城・仙台の楽天生命パークで、キャッシュレス生活を体験した。

「1本50円」。衝撃の価格がレシートに印字された。購入したのは紙パックの「お~いお茶 250ミリリットル」。元値は150円、まさかの67%オフ。激安スーパーかと思うほどの値引きに、思わず2度見した。最安値を記録したのは球場外のお弁当販売ワゴン。恐るべし「楽天ペイ」だ。

今回、選択したのはドリンクが100円引きになる「楽天ペイ」。現在、PaypayやLINEといった各社が力を入れているQRコード決済の一種だ。

今季、楽天は球場から現金使用を廃止した。チケットやグッズ、飲食の販売で完全キャッシュレス化。「楽天ペイ」や電子マネー「楽天Edy」、各種クレジットカードを利用しなくてはならなくなった。

楽天生命パークのおすすめ
楽天生命パークのおすすめ

その中でも「楽天ペイ」は圧倒的にお得。ドリンクの割り引きは生ビールも対象で、通常700円が600円に。日刊スポーツ調べでは12球団本拠地で最安値だ。

個人的なオススメは左翼席後方のスマイルグリコパーク内「MOTHER PORT COFFEE」。アイスコーヒー(楽天ペイ割引で300円)はエスプレッソを割るスタイル(スタバのカフェアメリカーノと同様)で、ゴクゴクいける。そしてホイップクリームがたっぷり入ったクロワッサン「ホイクロ」(350円)が最高。気仙沼で復興した自家焙煎(ばいせん)の豆は本当にうまい。

バックネット裏2階コンコース、阿部蒲鉾店の「ひょうたん揚げ」(250円)も外せない。アメリカンドッグの中に、笹(ささ)かまぼこ。DeNAの某番長コーチが評論家時代、あまりのうまさに連日食べ続けた逸話が残る。長らく売り上げ1位だったが、今季は仙台味噌(みそ)使用の「イーグルスからあげ」に抜かれたそう。

阿部蒲鉾店の名物・ひょうたん揚げ
阿部蒲鉾店の名物・ひょうたん揚げ

気になった点を挙げれば、報道陣や選手が使う自動販売機も完全キャッシュレスになったこと。使用は楽天Edyのみ。シーズンオフはチャージする場所がなく、のどがへばりついた。

現状で楽天Edyの使用率が約半数で、楽天ペイ、クレジットカードと続く。楽天野球団の江副翠経営企画室室長は「キャッシュレスの便利さや、楽しさを感じてもらいたい。もちろん賛成の声だけでなく、否の声もある。1つ1つ拾って改善したい」と話す。球団はスタッフの案内強化など、日々、利便性向上を目指している。

球界初の取り組みに戸惑いがちだが、お得もたくさん。消費増税後は国を挙げてのポイント還元もされる見込み。仙台でキャッシュレス体験いかがでしょう?